琉球王国が誕生する以前の沖縄本島には、北山と中山と南山の三山にそれぞれの王統があり、三山が統一されて琉球王国を成し遂げたのが尚巴志王です。
現在の沖縄県の前身にあたる琉球王国は、日本本土が室町時代であった1429年に尚巴志が、父の思紹を王位につけて立ち上げた王統で、沖縄本島にあった三山を統一し琉球王国を誕生させた尚巴志王が初代国王です。
琉球王国には、第一尚氏王統、第二尚氏王統と呼ばれる王位継承がなされていて、それぞれ七代63年と琉球処分までの十九代409年続き、その後も王族の血筋は継承され、現在でも末裔が存在しています。
室町時代から江戸幕府薩摩藩による支配下となるまでの長期にわたり続いた琉球王国の王族と血筋を受け継いだ末裔について紹介します。
琉球王国にある第一尚氏王統と第二尚氏王統とは?
沖縄本島にあった三山を統一して琉球王国をはじめた尚巴志王を初代琉球国王として、継承された王族の血筋が七代目の尚徳王まで続いたものを第一尚氏王統と呼ばれ、第一尚氏六代小泰久王に仕えていた尚円(金丸)が、尚徳王の死後立てた王族の血筋を第二尚氏王統と呼ばれています。
王統とは、国王の血筋や皇統を意味し、第二尚氏王統は、家臣であった金丸によるクーデターによって建国時の王族の血筋を継承したものではない別の血筋を意味しています。
第二尚氏王統は、伊是名島の農夫出身で小泰久王に仕えていた金丸がクーデターを起こし、尚徳王から国王の権力を奪い、新王統を立てています。
新王統を立てた金丸は、尚徳王が亡くなると、王位を継承して尚王家を継承して尚円王と名乗り、第二尚氏王統は、琉球処分が行われるまでの約400年にわたり19代の王族によって継承されています。
明治政府による廃藩置県によって琉球王国は廃止される以前に、第二尚氏王族の七代目である尚寧王が薩摩藩の島津軍との戦いに敗れ、和睦を申し入れたことで、琉球王国は薩摩藩の属国となる一方、中国大陸との関係を継続して、清国にも君臣関係をもつ体制をとっています。
琉球王国の王族の末裔には?
琉球王国の王族の末裔には、ステンレス流し台付き公団住宅を広めた日本宅建公団理事となった尚明さんや、女優の比嘉愛未さんが有名です。
尚明さんは、琉球王国の最後の王である尚泰王の六男、尚光の息子にあたり、尚明さんの嫁である道子さんは、料理研究家としてNHK「きょうの料理」の講師を務められています。
また、女優の比嘉愛未さんが琉球王国の末裔であるというのは、比嘉さんの101歳になる曾祖母から語られたとされ、家系図などが確認されたわけではありませんが、その佇まいには、王家の血筋を感じさせる気品が感じられると個人的には感じられます。
琉球王国の王族とその末裔たち
琉球王国は、沖縄本島に存在した三山を統一した尚巴志王によって誕生し、王族の血筋を受け継いだ七代の国王が継承し、金丸によるクーデターで誕生した新王統では、金丸が尚円王を名乗って王位を継承し、新たな王族の血筋を生み出し継承されています。
第一尚氏王統と第二尚氏王統にわたる琉球王国は、その地理的な影響から日本、朝鮮、中国大陸との外交関係や君臣関係を構築するなど、独自の文化を築き、現代でもその特異性を残しています。
琉球王国の最後の王位にあった尚泰王には、18人もの子供がいるため、名前が知られている末裔のほかにも王族の血筋を受け継ぐ子孫が存在し、継承されています。